【大阪商業大学】

 

 

─簡単な自己紹介をよろしくお願いいたします。

大阪商業大学で教員をしている樋口といいます。バスケットボール部の監督をしています。

大学時代は、大阪教育大学でプレーをしていました。卒業後、指導者になるために筑波大学大学院でコーチ学を学び、同時にチームのコーチをしていました。その後、大阪商業大学に赴任して、今年で19年目になります。なのでコーチをはじめて23年です。


 

─部活の紹介などをお願いします。

大阪商業大学バスケットボール部はインカレ4位など全国的にも優れた成績を収めていた強豪校です。赴任した時は、1部で中位ぐらいに位置していました。

この頃の日本のバスケットボールは、走力を活かしたバッシングを中心とした、言い方を変えたら気合いと根性が強調されたスタイルが多かったです。そのため大商大でも、強度の高い練習を重視したことを取り入れていました。アメリカに留学するまでの10年間の最高成績はインカレでベスト16です。

その頃から比べると、現在の大商大の順位は下位に位置しています。それは、帰国した後、日本で一般的に行われている練習方法に疑問を持ち、どのようにすれば選手の時間を尊重しながら、バスケットボールの向上ができるかを試行錯誤しながら進めているためです。

コーチが「ああしろ」「こうしろ」「なにやっているんだ」「そうじゃないだろ」と怒鳴っている、いわゆるブラック部活にならないですむかを考えています。


現在では、学生達が自身で考え自律して練習に取り組めるよう練習のシステムを採用しています。

学生が自律できるような環境とは、コーチが怒鳴ってやらせるのではなく、自ら課題を持ち、努力の結果が可視化できるように道具等の工夫をします。道具等のツールをうまく使うことで限られた施設の中で効率的に練習を行うことができ、例えば練習の時の待ち時間を少なくすることができます。

そのようなところでもともとアメリカにあったシューティングマシーンを導入していました。

 

バスケコ─ト
大阪商業大学のコート


 

─では、効率よく練習出来るようにマシーンとかを取り入れたということですね?なぜそこでトーアスポーツマシーンのシューティングマシーンを導入しようと思いましたか?

アメリカにはもともと有名なシューティングマシーンブランドがありましたが、日本には一切なく練習にシューティングマシーンが使えるような環境ではありませんでした。

そのためアメリカからシューティングマシーンを導入しましたが、日本に正式な代理店が無いのでメンテナンスという部分で、部品を仕入れるとかが非常にネックでした。また金額の方も結構しました。

そんな時にトーアスポ─ツマシーンからお話を頂いて購入までに至りました。


アフターサービスが購入の決めて

シュ─ティングマシ─ンで練習中
シューティングマシーンを使って練習中


 

─ではアフターサービスがしっかりとしているという点も評価の対象ですか?

トーアスポーツマシーンの1番の強みは、アフターサービスの1点に尽きると私は思っています。

大阪商業大学の場合はチ─ムなので、1日に何百本、何千本という練習でシューティングマシーンを使います。そのため絶対にマシーンにガタがきます。これはマシーンなので仕方がないことです。しかし、トーアスポーツマシーンは連絡をすればすぐに駆けつけてくれるので、そのような部分でとても好感度が高いです。

マシーンは安いものじゃないので、この部分は特に重要視しています。


 

─では、シューティングマシーンを作っている会社っていうのでもご興味をお持ちになっててみたいな感じですかね?(現行品は日本市場様に共同開発)

最初調べたときには、ピッチングマシーンを製造している会社なんだと思いそのままにしていました。色々調べているうちにトーアスポーツマシーンのマークを見る機会があり、「シューティングマシーンも製造している会社なんだ」とそのとき知りました。

トーアスポーツマシーンのマークに見覚えがあって「じゃあ使ってみよう」と言う流れで今があります。


 

─そのような流れで導入されたんですね!実際に使ってみてどのような感じですか?

そうですね。

大阪商業大学には他のシューティングマシンが一個あって、それとの比較になりますが、トーアスポーツマシーンのシューティングマシーンはコンパクトで、操作がシンプルで、音が静かですね。

またローラー式という点でバネ式と比べて壊れにくさがあるので、どれだけ使ったら壊れるかを想像したらローラー式という選択肢は悪くないと思います。

ローラー式は回転数を上げればどこまででも飛ぶので、それは悪くないと思います。バネ式はバネの伸びの限界値があるので、引くためのスペ─スがないと遠くには飛びません。ローラーは回転すればいいので、ローラー式の方が可能性はあります。

 


シューティングマシーンを使って練習中


 

─やはりマシーン導入する前とした後だと、シュートの打つ本数に変化がありましたか?

確実に打つ本数は変わります。

またマシーンのメリットとして人に忖度がないと言う部分です。人同士で練習をするとパスの早さを忖度したりしますが、マシーンではそれが絶対にありません。

試合中はパスが加減されることが無いので、これは試合に直結すると言えます。

キャッチアンドシュートが自分のタイミングじゃないのもマシーンの良い点です。練習中だと自分のタイミングで溜めて打つということがありますが、試合ではそのようなことはできません。その点マシーンの場合は、早いタイミングでどんどんパスが出てくるので、良い練習になっています。

マシーンに対しては「待って」ということができないので、キャッチをミスったとしてもシュートに繋げて精度を高めるしか無いので、とても良いです。



 

─では長年シュート練習を続ければ、「シュートの精度も上がる」ということですか?

そうですね。

バスケットのシュートで言うと、キャッチをした時点でシュートの確率は、ほぼ決まると言われています。

要は自分のシュートフォームを崩さないようにどれだけシュートを打てるかということです。大学のトップ選手のレベルになってくると自分のリズムになったらほぼシュートが入ります。逆を返すと自分のリズムじゃないと外れる可能性があります。

なので、自分のペースじゃない時にどのようにするかという問題が出てきます。

そのような時にマシーンで変則的なパスを出してもらって、しっかりとキャッチの練習をして自分のペースでないフォームで練習をすることで精度に繋がります。

実際に大阪商業大学は、シューティングマシーンを使い始めてから3部リーグから1部リーグに昇格して、シューティングマシーンの凄さを実感しています。

 

─遅い球だけではなく、「速い球が出る」というのはメリットになっていますか?

速い球というよりもボールのテンポが常に違うような感じが良いですね。

例えばキャッチしにくいスピードに自分で設定して、キャッチをしてシュートをするような感じが良いです。



 

─なるほど。そしたら具体的にマシーンでどのような練習していますか?

スリーポイントを打つ練習もあるし、2ポイントを打つ練習もある。

シュート全般に使用していて、ある程度打ち込む場合によく使いますね。

数を打ち込みたいとか、何本入るまで練習をするというときにマシーンだとやりやすいというのが1番のメリットですね。


バスケットボールは人生の価値観も変えてくれる


樋口先生が指導している様子


 

─部活の教育理念やバスケに対する教育理念を教えて頂けますか?

ブラック部活の根絶ですね。うちはベースの理念として、「強くて優しいチーム」を掲げています。

強いっていうのは間違いがない技術だし、優しいっていうのは違う価値観を受け入れられる自分たちの価値観。だから大阪商業大学にとってバスケットの対戦相手は対戦相手であって敵ではありません。叩き潰す存在ではなくて、お互いに競い合う存在です。お互いに競い合って結果はお互いに受け入れようという考え方です。


 

─なるほど。バスケはそのような考え方や価値観も教えてくれるのですね。

バスケットの取り組みをすることで、バスケットのルールに触れます。ルールがあるからこそ、それが自由に繋がります。

だからルールを身に付けてコートで自由になるためには、練習をするしかありません。そして、どのくらい身に付いたかというのを確認するために試合をします。

なので、練習はできないことを身につけるためにやるので、しんどいのは当たり前です。しかし、今日できなかったことを明日できるようになったというような楽しみ方もあります。

とりあえず日常生活にないことをやってるとなんか楽しいっていうのもあります。そして身につけたことを競い合ってると楽しいってのもあります。それぞれの楽しみ方があって、それに対してどういう取り組みをするかということで、その人の考え方や価値観が変わってきます。


 

─最後の締めくくりをお願いします。

今のバスケ界を変えるためには、根本的なところでいうと指導者の養成というような部分だと思います。ブラック部活を変えるにはそれしかないと考えています。

指導者の練習方法の引き出しが無くなるとプレイヤーのせいにして、怒鳴るというのが典型的な例です。

本来、シュートが入らなかった場合、「入らないならどのような練習をするべきなのか」ということを教えてあげるのが指導者です。

その「どのような練習をするべきなのか」という点でマシーンはとても良くて、指導者が教えにくいような部分でも道具があることで教えやすくなっています。

また、道具であれば失敗をしても怒られないで済みます。

今のバスケットは大人が勝ちたいがために、子どもたちに強制的な時間を詰め込んで練習をさせています。必要以上の時間を取っていて負けたらプレイヤーを怒るなんて理不尽すぎじゃないですか?


樋口さんからは本当にブラック部活が無くなれば良いなというような強いメッセージを聞けました。また、その経過で効率の良いマシーンをツールとして使えれば良いとの意見を頂きました。

ありがとうございました。

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